情シス代行サービス導入の流れと準備
弊社の情報システム代行(PC・ネットワーク保守サポート)サービスは、法人のお客様を対象としております。
個人のお客様には現在サポートサービスを提供しておりません。何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。
情シス代行サービスの導入は企業のIT運用を効率化し、コスト削減や専門知識の活用を可能にします。
しかし、情シス代行を導入し業務効率を向上するためには、導入前にしっかりとした準備を行い適切なプロセスで進めることが重要です。
このコラムでは、情シス代行サービスを導入する際の流れとその際に押さえておくべき準備事項について詳しく解説します。
情シス代行サービス導入の流れ
情シス代行サービスを導入する流れは、おもに以下のステップで進行します。
ステップ1: ヒアリングと現状分析
まず、企業の現状のIT運用状況や課題を詳しくヒアリングします。
システムの構成、運用プロセス、現場のニーズ、既存のIT部門の体制などを把握することが重要です。
この段階では、業務の中で特に困っている点や改善したいポイントを明確にすることが求められます。
改善したいポイントの例
ヘルプデスク対応の遅延や負荷
社員からのITサポート依頼が集中し、対応が遅れることで業務が滞る。
特に、パスワードリセットやソフトウェアのトラブル対応に時間がかかり、社員の不満が高まっている。
システム障害時の迅速な対応が難しい
サーバーやネットワークの障害が発生した際に、原因の特定や復旧対応が遅れ、業務への影響が大きい。
専任のITスタッフが少ないため、対応できない案件や外部に委託せざるを得ないケースもある。
セキュリティ対策の不備
社内のセキュリティポリシーが古く、最新のサイバー攻撃に対する対策が不十分。
ウイルス対策ソフトの更新が遅れ、ファイアウォールの設定が不適切で、外部からの侵入リスクが懸念されている。
ステップ2:提案と見積もり
ヒアリングの結果をもとに、情シス代行サービスの提供者が最適なソリューションを提案します。
具体的なサポート内容、サービスの範囲、対応時間、そして費用などが示されます。
この提案をもとに企業は、提供者が示す価値と自社のニーズが一致しているかを評価し、どのサービスを選ぶかを決定します。
ステップ3:契約とスコープ定義
提案内容に納得できたら、契約を締結します。
この際、サービスレベルアグリーメント(SLA)を含む契約内容を明確にし、具体的なスコープや目標を設定します。
SLA(サービスレベルアグリーメント)とは
サービス提供者と利用者の間で合意されたサービスの品質や対応時間などの基準を定めた契約です。
これにより、どの程度のサービスが提供されるかが明確になり、期待通りのサービスが受けられることを保証します。
サービスの提供範囲や品質、対応時間など、期待値を明確にしておくことが成功のカギです。
ステップ4:導入準備と移行計画
契約後、具体的な導入準備に入ります。
既存のシステム環境を把握し、新たな運用体制の移行計画を策定します。
移行期間中にシステムの停止が必要な場合の対応や、スタッフへの周知、テスト計画などを準備します。
ステップ5:導入と運用開始
これまでに決めた移行計画に基づき、実際に情シス代行サービスの導入を行います。
まずは初期設定や環境構築を整えてから運用を開始します。
運用開始後は、専属の担当者が常駐またはリモートで対応し、必要に応じてチームとの連携を図りながらサポートを提供します。
常駐のメリットデメリット
・システムトラブルや緊急の対応が必要な場合でも、現場で迅速な対応が可能
・現場との直接的なやり取りができるため、コミュニケーションが円滑なりスムーズな対応
・常駐スタッフの交通費や人件費がリモートよりも高くなり運用コストが高くなりやすい
・常駐スタッフのためのデスクやPC、ネットワーク環境などの準備が必要
リモートのメリットデメリット
・交通費や常駐にともなう設備費などが不要なためコストを削減できる
・異なるタイムゾーンや場合によっては休日などに柔軟な対応が可能
・直接の対話が減るため、コミュニケーション不足や誤解が生じるリスクがある
・リモートアクセスにより、セキュリティリスクが増加する場合がある
常駐とリモートにはそれぞれメリットとデメリットがあります。
運用方針やコストや対応の早さなど重視するポイントで選ぶといいでしょう。
ステップ6:運用後のフォローアップと改善
運用が開始した後も、定期的なフォローアップを行い、サービスのパフォーマンスを評価します。
これにより、初期段階での不具合の早期発見や、さらなる改善策の検討が可能になります。
また、定期的なレポートの提供やミーティングを通じて、企業とサービス提供者の間で密なコミュニケーションを維持します。
情シス代行サービス導入の流れ
情シス代行サービスを円滑に導入するためには、以下の準備事項を押さえておくことが重要です。
明確な目標設定
導入の目的や目標を明確にすることで、サービス提供者との間で期待値を揃えることができます。
具体的には、どの業務の効率化を目指すのか、どの程度のコスト削減を期待しているのかなど、数値的な目標を設定することが望ましいです。
内部体制の整備
情シス代行を導入するにあたり、自社内のIT部門や関連部署との連携体制を整えておくことが重要です。
担当者の役割分担や、サービス提供者との連絡方法などをあらかじめ決めておくことで、スムーズな導入が可能となります。
データとシステムの整理
導入前に、既存のシステムやデータの整理を行い、最新の情報を提供者に共有する準備をしましょう。
これには、ネットワーク構成図やシステムの仕様書、アカウント情報などが含まれます。
正確な情報が共有されることで、トラブルの防止やスムーズな移行が可能になります。
セキュリティとコンプライアンスの確認
サービス提供者が自社のセキュリティポリシーやコンプライアンスに準拠しているかを確認することも重要です。
データの取り扱いやアクセス権限の管理方法など、セキュリティ面でのリスクを最小限に抑えるための対策を事前に確認しておく必要があります
まとめ
情シス代行サービスの導入は、企業のIT運用を効率化し、業務のパフォーマンスを向上させる有力な手段です。
しかし、導入を成功させるためには、適切な準備と計画が不可欠です。
ヒアリングから始まり、提案、契約、移行、運用までの流れをしっかりと把握し、それぞれのステップで必要な準備を整えることで、円滑な導入が実現できます。
導入を検討する際は、目標の明確化や内部体制の整備、セキュリティ確認などを徹底し、長期的な視点で信頼できるパートナーと連携することが成功のカギとなるでしょう。